希望の光は一瞬の輝きに過ぎなかったという現実[挫折体験P6]


この記事は、こちらの記事からの続きになります。

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痛みはかなり改善したものの消えはしなかった

右手の手術後1年ほどが経過すると、右手の痛みはかなり改善してくれていました。
それは、まだ少し痛みは残るものの、絵を描くために再びペンを握る気になるくらいの状態。

僕は、順調な回復に嬉しくなりながら、そのまま完治することを信じきっていました
季節は移り変わり、何の疑いも無く大学に戻った僕は、卒業制作に取りかかり始めました。

しかし、ここで想定外の問題が起きたのです!

日常生活を送るくらいなら、ほとんど痛みはないほどに回復していた右手の症状。

けれどもそれは、日常生活を送るくらいなら、という条件の下でしか成立しないものだったのです。
頻繁に絵を描く生活と単なる日常生活では、右手への負荷が比較にならないほど異なっていたという事実。

作品制作により、右手に負荷がかかり続けて数日経った時、僕はゾッとする悪寒と共に、最悪の現実を認めなければなりませんでした。

「またあの痛みが戻ってきた…」

そう、右手に苦しみぬいたあの痛みが再発してしまったのです。

それは、無意識に涙するほど、トラウマ的な恐怖で震えるほどでした。

「僕は…まだ許されてなかったのか…」

と深い絶望に包まれるも、絶対にあの地獄には戻りたくないという強い想いから、最大限のプラス思考を求めました。

「いや、まだ神経の再生が終わってないだけ!」

そう、僕を支えていた最後の砦は「神経再生には2年くらいはかかる」という医師の言葉でした。

しかし僕は、自分自身に大丈夫だと言い聞かせながらも、内心では負けを覚悟していたのかもしれません。

うらぎ
もう戦う気力なんて残ってないよ…。

2年で完治するという主治医の言葉を信じた

「神経の再生は2年くらいかかる可能性がある」
という主治医の言葉

僕には、それを信じるという選択肢しかありませんでした。

この時、僕の身に起きていた理不尽は、完全に自分の力を超越していました

だから僕は、ひたすら盲目的に
「すがれるものにすがる」しかない状態だったのです。

自分を騙すように治ると言い聞かせる毎日

「今はまだ治りきっていないだけ、大丈夫、大丈夫…」
擦り切れそうな心の声で、自分を保ち続ける日々。

視界が不明瞭になりながらも、なんとか前に進むために、僕は死ぬ気で卒業制作を終わらせました。

この時の右手の状態は、痛みは明確にありながらも、休み休みゆっくりとやれば何とかペンを握れるというギリギリのライン。

僕は、完治というゴールを目の前にしていたはずなのに、気付いたら大きすぎる落とし穴に飲み込まれそうになっていました。

「あと1年経てばきっと治るはず!」

そんな、自分への必死すぎる洗脳、それによって嘘のやる気を生み出すしか、正気を保つ方法はありませんでした。

ジュラビー
死ぬほど 頑張ったのに 報われないなんて… おかしすぎる!

フリー絵師の活動を運命の審判に

治るのか治らないのか全くはっきりしないという、生きた心地がしない中で、僕は時間に身を任せるように大学を卒業しました。

それからしばらくして、手術から1年半が経過した時期でも、右手の症状に大きな変化はありませんでした。

ペンを握れば親指が痛い、けど酷使しなければ、我慢できなくはない程度の痛み

僕は、正直どうしていいか全くわかりませんでした。

普通の人にとっては、人生を決めるべき大切な時期に他ならないという大きな焦り。

「僕はいったい何をやっているのか!」

考えても絶対に解決できない現状に苛立ちを覚え、僕がとったのは強制的に結論を出すための選択肢でした。

それは、フリーのイラストレーターとして実際に仕事をしてみることです。
実際の仕事を、継続できるかできないかで全て決めようという決意をしました。
ずっと生殺しのような状態にされてることに耐えられなくなった故の決断でもありました。

前々から準備していた営業用のホームページを稼働させ、僕は運命への挑戦という形で、目指す夢への第一歩を踏み出したのです!

その夢への前進は、涙目になっていた僕の心への潤滑剤となり、不安に押し潰されながらも、嬉しさや楽しさを隠せない心境でもある、とても複雑な気持ちでした。

果たして、僕の運命はどうなってしまうのか!?
このストーリーはもうすぐ終焉します。

続きはこちらになります。

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