ペンを握れない美大生の精神は壊れていった[挫折体験P3]


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「自分の力」が届かない圧倒的理不尽

病院通いをどれだけ続けても一向に原因は不明のまま

大学の友達は、もう卒業製作などに取りかかっているという時期。

よりによって、何で右手に起きたのか?
何でこのタイミングで起きたのか?

全ての最悪が重なった状況に、僕は絶望するしかなかった。

僕は今、何のために生きているのか?
心の底からわからなかった。

このとき、僕は人生で初めて、

「どれだけ頑張っても、自分の力だけではどうしようもないことがあるんだ」
と涙ながらに痛感しました。

うらぎ
努力が報われる世界であって欲しかった…それが本音です。

自分だけに起きた圧倒的理不尽

それまでの人生はどんなときでも、限界まで頑張れば何とかなってきた。
ネット検索や周りの人に聞いたりすれば解決できた、それが当たり前だと思っていました。

でも今回のことは、
本当に自分だけに起きたことだったのです。

誰に聞いても、どこを調べても、全くわからないという地獄。
世界から一人だけ隔離されたかのような不思議さ。

事実、僕にはできることが全くありませんでした

完全に鬱っぽい精神状態に支配されていた毎日。
一歩でも間違えたら自ら命を絶ちかねないような、本当にギリギリの精神状態でした。

それでも僕にはまだ生まれ持ったエネルギーが、ほんの少しだけ残っていました。
その蒸発寸前のわずかなエネルギーでラストチャンスを探し続けました。

「僕は絵描きになるはずだった…」という強い思念に突き動かされるように。

僕は絵描きになる!という想いだけでもがき続けた

典型的なB型性格だった僕は、自分の目指した道を断念するのだけは嫌だった。

「なにか見落としがあるはず」

そう思って今までよりも視野を広げて、インターネットをさまよい続けました。

近場の病院だけではなく日本全国まで範囲を広げ、
「可能性があるならもはやどこにでも行ってやる!」という決意でした。

自分と同じ症例を探すのではなく、
傾向の似ている症例、原因不明の症例という方向性で広く検索をし続けました。

それはもう、死に物狂いという言葉そのもの…。

可能な限りの情報を集めて見つけた光

インターネットをひたすらさまよい続けた結果、僕は何とか可能性にたどり着きました
それは、原因不明の痛みに苦しんでいる人が、ある医師の治療によって快報に向かっているという情報。

その病院は行くだけでも数時間はかかる、はるか遠方の病院でしたが、僕にはもうそんなことは関係ありませんでした。

「やっと前に進めるかもしれない!」
嬉しかったです、とにかく嬉しくて跳び跳ねる想いを抑えられなかった。

ゆうり
詳しくは、奈良県にある稲田病院です。

見つけた医師はその筋ではとても有名な、手や足の神経に関する専門医でした。
僕みたいな患者が日本中から集まってきてるような状況になってて、期待感はとても大きかったです。

「この医師にかけるしかない!」
僕は本当に、最後の希望、一筋の光にすがるような気持ちでした。

その病院は予約がかなり先まで埋まっているような状況でしたが、
僕はすぐに電話をかけ、事の重大さをできる限りの表現で伝えて、なんとか予約を取ることができました

それからは期待と不安で変なテンションになりながらも、その病院に行く日を待ち続けました。
この地獄から脱出できることを夢のように想い描きながら。

ジュラビー
この光… 明るい世界に 続いてるよね?

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